名優・志村喬さんのベルリン国際映画祭で受賞した映画作品をご存知でしょうか?
この記事では、己の「生きる」意味と向き合った映画「生きる」をご紹介します。
映画「生きる」はどんな映画?
黒澤明監督、志村喬主演の1952年日本の映画です。
映画「生きる」の予告編動画はこちら↓
あらすじ
市役所勤務の初老の市民課長・渡辺勘治(志村喬)は余命半年と宣言される。
渡辺勘治は何かやりがいのある仕事をして死のうと、公園の造設の仕事に精を燃やす。
突貫工事を指揮し、何とか完成させるが完成の日に死んでしまう。
映画「生きる」は、タイトルの通り人間の「生きる」意味について向き合った作品です。
公園のひとりブランコに乗りながら“ゴンドラの唄”を口ずさむシーンは見どころの1つで、死んでいく主人公のイメージが見事に描かれています。
キャスト
監督:黒澤明
渡邊勘治:志村喬
木村(市民課員、渾名は「糸こんにゃく」):日守新一
坂井(市民課員、渾名は「こいのぼり」):田中春男
野口(市民課員、渾名は「ハエ取り紙」):千秋実
小田切とよ:小田切みき
裏話
志村喬「世界一の名優」
志村喬さんは、映画「生きる」のクランク前に盲腸の手術で体重が落ちてやつれていました。
黒澤監督は、その“やつれ”を維持するように志村喬さんに求めたそうです。
頬骨がはっきり見えるまでのこの“やつれ”は、癌に侵され死んでゆく渡辺勘治の姿をリアルに表現しました。
この好演によりNYタイムズでは「世界一の名優」と絶賛されることになります。
この世のものとは思えない声
「生きる」の名シーンのひとりブランコでは、黒澤監督は志村喬さんへ「この世のものとは思えないような声で歌ってほしい」と注文をつけたそうです。
この黒澤監督の注文と、監督の注文を見事に表現する志村喬さんの演技力の高さが映画史に残る名シーン作り出したのでしょうね。
映画「生きる」が受賞した賞は?
映画「生きる」は、第4回ベルリン国際映画祭で賞を受賞しています。
しかし受賞した賞が調べてもはっきりしません。
というのもベルリン国際映画祭には、金熊賞、金熊名誉賞、銀熊賞など他にもたくさんの賞があります。
また銀熊賞の中にも複数の賞が存在しています。
ここでは第4回ベルリン国際映画祭で受賞したと言われる賞をご紹介します。
第4回ベルリン国際映画祭でベルリン市政府特別賞[注釈 1]を受賞
[注釈 1]日本では「銀熊賞」を受賞したとされることがあるが誤り
引用元:Wikipedia
昭和三十六年のベルリン映画祭でセルズニック金賞を受賞した。
引用元:文芸春秋BOOKS
受賞ー1953年度ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞
第4回ベルリン国際映画祭でどの賞を受賞したのかわかりませんが、何らかの賞を受賞したのは確かなようですね。
映画「生きる」はどこを評価されたの?
ベルリン国際映画祭でどの賞を受賞したのかわからないため、はっきりとしたことは言えませんが、裏話でもあるように志村喬さんの“やつれ”の演出やブランコのシーンでの演技は高評価されているでしょうね。
ブランコのシーンでは、海外でも黒澤監督の代表作の1つとしても高く評価されているようで、映画「生きる」は志村喬さん、黒澤監督にとっても一世一代の傑作と言えると思います。
まとめ
志村喬さん主演のベルリン国際映画祭で受賞した映画「生きる」をご紹介してきました。
映画のテーマである己にとって「生きる」意味への問いは、私たち人間の全員のテーマですよね。
まだこの映画を見たことがない方は、見る前と後では己の生き方に対する考え方が変わるかもしれませんね。